ざる法 law with no meaning 2003 8 1
国民年金の保険料の未納者の割合が約4割に達したことに対して、
「正直に保険料を払うサラリーマンが、バカを見る状況が放置されている。
保険料の徴収は税務署に任せて、未納者に刑事罰を与えるくらいでないとダメでしょう。
無法状態をたださないで、制度改革というのでは議論にもなりません。」
という声があります。
この議論の延長に、一部のサラリーマンは、消費税を上げて、
消費税で、年金問題をなんとかしろと主張する人がいます。
しかし、これは無知な議論です。
なぜなら、今の消費税法は、「ざる法」となっているからです。
たとえば、最近、個人が、フリーマーケットで成功するケースがあります。
古着や中古品で、人気のあるものならば、高く売れます。
こういうケースで、もし消費税を徴収していると仮定するならば、
この個人は、消費税を納税しているかどうか。
納税していないならば、実質的な値上げです。
消費税分だけ儲けられます。
この例は、いい例ではないかもしれません。
次に、最近では、個人が、インターネット上に、お店を開いて、
繁盛しているお店があります。
インターネット上のお店の様子を時系列に観察してみると、
儲かっているのがよくわかります。
こういうケースで、もし消費税を徴収していると仮定するならば、
この個人は、消費税を納税しているかどうか。
納税していないならば、実質的な値上げです。
消費税分だけ儲けられます。
以上、ふたつのケースは、個人が商売をしているケースなので、
大勢に影響がないかもしれません。
さて、まじめな議論です。
2年前の資料やデータですので、
今は、多少、制度が改善されているかもしれません。
もしかすると、改善しないで、問題を放置したままかもしれません。
放置されたままだとすると、以下の問題点を改善しないと、
意味がありません。
「各国の消費税制度の比較」
(免税業者売上高)
日本 3000万円以下
フランス 400万円以下
ドイツ 670万円以下
イギリス 979万円以下
(簡易課税制度適用上限)
日本 2億円(中小企業に大きな特典)
フランス なし
ドイツ 804万円
イギリス なし
(税算出のための前段階控除の方式)
日本 請求書等保存方式(消費税不信の原因になっているとの意見あり)
フランス インボイス制
ドイツ インボイス制
イギリス インボイス制
さて、今の消費税法は、「ざる法」となっている理由が、よくわかりましたね。
一部のサラリーマンは、消費税を上げて、
消費税で、社会保障の問題をなんとかしろと主張する人がいます。
しかし、これは無知な議論です。自分のバカさ加減に気づきましたか。
さらに「消費税の滞納」も問題になっています。
「消費税の滞納」も解決しなければならない大きな問題です。
消費税の税率アップの前に、
欠陥だらけの消費税制度を大改革しないと、意味がないのです。
「ざる法」の消費税法は、いつまで続くのか。